
こんにちは。@potato4dです。今回は2025年10月25日に開催された Vue Fes Japan 2025 の参加・協賛レポートをお届けします。
Vue Fes Japanとは
Vue Fes Japan は、2018 年に誕生した日本最大級の Vue.js に関するカンファレンスです。
これまでも Vue.js だけでなく、Vite や Rolldown といったツールチェーンやエコシステムに関する知見や動向を共有する場として、多くのエンジニアが集まります。
このカンファレンスは、Vue.js コミュニティの活性化を目的としており、初学者からメンテナーまで幅広い層が参加できるよう設計されています。
国内外の著名なスピーカーによる講演やハンズオンセッションを通じて新しいアイデアを得たり、同じ興味を持つ仲間と交流したりすることで、コミュニティの一員としてのつながりを深める貴重な機会となっています。
LINEヤフーとVue.js
LINEヤフーでは、「LINE公式アカウント」や「LINEギフト」など、さまざまなプロダクトで Vue.js を使用しています。技術活用、コミュニティ貢献、スポンサーの三点からご紹介します。
直近のLINEヤフーの利用状況としては、昨年時点で社内の開発者の約55%が Vue 3 の経験があると回答しています。Vue 2 時代からの経験者も含めるとその利用者は非常に多く、さらに3割以上の開発者が現役で Vue 3 での開発を行っています。

業務におけるフ レームワーク/ライブラリの利用状況アンケート(State of LY 2024より抜粋)
また、コミュニティへの貢献という観点ではVue.jsを取り巻く環境や周辺エコシステムへの Pull Request、RFCの提出など repository へのアクションのほか、今回もhikkobay と kou が Vue Fes Japan 2025 のコアスタッフを務めるなど、さまざまな分野で貢献に取り組んでいます。
さらに、LINEヤフーは Vue.js のゴールドスポンサーとして、月 500 ドルの支援を行っています。この支援を通じて、Vue.js コミュニティの成長と発展に貢献しています。
以上のように、LINEヤフーは Vue.js との関わりが深く、また今後も貢献していく予定で力を入れています。
セッション
まずはカンファレンスの醍醐味とも言えるセッションについて、いくつか現地メンバーの感想をピックアップします。
The Next Ten Years of Frontend
まずは今回の最も注目のセッションといっても過言ではない各技術を代表する開発者によるパネルディスカッションです。
フロントエンドの未来をテーマに、AI時代の開発について多様な視点が交錯。
Evan氏は「AIを扱うことはジュニア開発者をマネジメントするのに近い」と、Dominik氏は「AIが機能追加を容易にすることで、製品が冗長になる危険性」と指摘し、それぞれ見られる課題について意見を述べました。
中にはAIが学習してしまった古いコードにより 最新機能などが適切に活用されないことへの懸念などもあり、開発者視点ならではの懸念も見られるのが印象的です。
一方Dan氏は、AIによって新しい分野にすぐ踏み込めることへの期待を語っており、大御所が名を連ねる場でありながらも非常にバランスの取れた議論であったと感じます。
(Theo, spring-raining, Pittan, Romanなど多数が聴講)
Demystifying Nuxt Test Utils
また、ソフトウェアテストに強い関心があるメンバーは、パネルディスカッションと同じ時間帯で開催されたこちらのセッションにも参加しました。
セッションの前半では、Nuxt の機能を利用したコンポーネントのテストを @vue/test-utils だけで実行するとエラーが発生すること、そしてそのエラーに対応するために手動で mock を繰り返すのには限界があるという課題が紹介されました。
続いて、その問題を解決する手段として @nuxt/test-utils がどのように役立つかが、わかりやすい流れで説明されました。
今回のセッションで、モジュールが内部で Nuxt の build を実行し、テスト環境として Nuxt アプリケーションを再現していることを知り、実現方法のスマートさに感心しました。
@nuxt/test-utils の実際の動作に加え、Vitest プロジェクトを使ってユニットテストと Nuxt 環境用のテストを分離するという、実践的なノウハウの共有もあり、非常に参考になりました。
(odanが聴講)
生成AI時代のWebアプリケーションアクセシビリティ改善
また、筆者もブース運営の傍ら一部セッションの聴講を行いました。
やまのくさんが発表された生成AI時代のWebアプリケーションアクセシビリティ改善は興味深く、「人間が書く多くのコードより特に明確な指示がない下で生成されたAIのコードのほうがよりアクセシブルであった」という点が印象に残っています。
一方でAIに任せて全てを実施するのではなく、継続的にアクセシビリティを改善するためのエッセンスも詰まっており、まさにAI時代のアクセシビリティについて多くの人にとって有益な最初の一歩。そして、先駆者の現状が如実に現れたセッションであったと感じます。
LINEヤフーもアクセシビリティには力を入れている背景があり、明日からの現場にも繋げていきたいと感じるセッションでした。
(potato4dが聴講)
LINE公式アカウントの技術スタックと開発の裏側

LINEヤフーからも、通常のセッション枠とは別に「学生支援スポンサー」としてセッションに登壇しました。
昨年現地参加、イベントレポートを執筆していた佐野が登壇者をつとめ、学生に向けて Vue.js を活用したリアルな現場での仕事の様子を紹介しました。
セッション内では Web Components の活用なども触れ、Vue.js を中心としつつ、実際の仕事ではどのようにフロントエンド技術を組み合わせています。
後日 Speaker Deck より公開を予定しておりますので、ぜひそちらも合わせてお楽しみください。
スポンサーブース

LINEヤフーブースでは、今年も昨年に引き続き Vue.js クイズを実施しました。
昨年に続き、今年も150名程度のかたに挑戦いただき、非常に盛り上がるブースとなりました。
後日問題に関する解説記事を出す予定となっておりますので、ぜひこのブログを読んだかたもチャレンジしてみてください。
おわりに

今年の Vue Fes Japan は昨年にも増して総合カンファレンスとしての色が強くなっており、Vueはもちろんのこと、フロントエンドに関わるすべての 人にとって魅力的なカンファレンスとしての要素がさらに強まったと感じられました。
LINEヤフー株式会社では、フロントエンドをはじめとするさまざまなカンファレンスにスポンサーとして協賛しています。
今後もカンファレンスに参加・協賛した際には、LINEヤフー Tech Blogでのカンファレンスレポートや、XのLINEヤフー TechアカウントやUIT INSIDEにて現地の情報をお届けしていきます。
Vue.js クイズの回答
Vue.js のクイズの回答はこちらとなります!
- 問1: 1
- 問2: 2,3,5
- 問3: 1,2,5
- 問4: 1
- 問5: 2
解説記事の公開もお楽しみに!


