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LINEヤフーのエンジニアの動向を知る:State of LY 2025実施レポート

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LINEヤフーでは、2024年に引き続き、2025年も社内の開発者を対象としたアンケート「State of LY 2025」を実施しました(昨年度の実施レポート)。昨年はWebフロントエンド開発者のみを対象としていましたが、今回はWebフロントエンドに限らず、バックエンドやモバイルアプリ開発(iOS/Android)も含めた全体の開発者を対象としたアンケートとなりました。昨年にも増して、LINEヤフーの開発者の多様な技術スタックやトレンドを把握できる内容となりました。

昨年に引き続き、サーベイ結果をより詳しく確認できるWebページを社内限定で公開しました。各質問の回答数の内訳について別の質問内容ではどのように回答しているかを確認できます。また、こちらも残念ながら社内限定ではありますが、今年はアンケートの回答内容をNotebookLMを通して自然言語で質問できるようにする取り組みも行いました。これにより、数値的な分析だけでなく、自由回答の内容も含めて、LINEヤフーの開発者の技術スタックやトレンドについてより深く理解できるようになりました。

State of LY 2025のサーベイ結果をNotebookLMにインポートして、質問内容を自然言語で検索できるようにする取り組みのイメージ

この記事では、その中でもとくに興味深かった点をピックアップして紹介します。

調査概要

対象:海外拠点を含むLINEヤフーグループの開発者(回答者は日本、韓国、ベトナム、台湾の組織に所属)
回答期間:2025年10月14日〜2025年10月25日
回答者数:322名

回答者のデモグラフィック

どの組織に所属していますか? という質問の回答結果のグラフ。LY Corporation (formerly Yahoo! JAPAN)の回答が168件。LY Corporation (formerly LINE)の回答が113件。LY Corporation (other / joined after Oct. 2023)の回答が24件。LINE+の回答が10件。その他の回答が7件。

どの組織に所属していますか? という質問では、昨年と同様に旧ヤフーと旧LINE双方からのメンバーからの回答があったことがわかります。また、前年から「LINEヤフー株式会社(その他・2023年10月以降入社)」の割合が増加しています。

現在の会社で何年間働いていますか? という質問の回答結果のグラフ。0-1の回答が18件。1-2の回答が15件。2-3の回答が34件。3-4の回答が50件。4-5の回答が31件。5-6の回答が26件。6-7の回答が24件。7-8の回答が31件。8-9の回答が13件。9-10の回答が12件。10-15の回答が40件。15-20の回答が19件。その他の回答が9件。

現在の会社で何年間働いていますか? という質問では、時期によりばらつきがあり、3-4年と回答した人がもっとも多い結果となっています。

業務で担当している領域はなんですか? という質問の回答結果のグラフ。バックエンドの回答が170件��。フロントエンドの回答が117件。クライアントアプリケーション(iOS)の回答が49件。チームリーダー、マネージャーの回答が40件。クライアントアプリケーション(Android)の回答が33件。その他の回答が27件。プロダクトマネジメントの回答が26件。

今年からアンケートの内容を拡充したことにより、業務で担当している領域はなんですか? という質問では、昨年より多様な回答が得られました。

この質問内容は複数回答であり、グラフの内訳は各項目の回答者が他にどの領域を担当しているかがわかるようになっています。内訳を見ると、バックエンドとフロントエンドを両方担当していると回答した人は53人と比較的多い一方で、たとえばiOSアプリ開発とAndroidアプリ開発を両方担当していると回答した人は少ないことや、プロダクトマネジメントを担当している人は比較的バックエンド開発をバックグラウンドにしている人が多いことなどがわかります。

月に何日コーディングに携わっていますか? という質問の回答結果のグラフ。ほぼしないが17件。1-2が13件。2-5が18件。5-10が29件。10-15が41件。15-20が43件。20+が161件。その他が0件。

上記の回答のうち、平均して月に何日AIが主体となるコーディング(Vibe coding)を実施していますか? という質問の回答結果のグラフ。実施したことがないが24件。ほぼしないが57件。1-2が41件。2-5が44件。5-10が45件。10-15が32件。15-20が34件。20+が45件。その他が0件。

上記2つのグラフは、それぞれ「月に何日コーディングに携わっていますか?」「そのうち、平均して月に何日AIが主体となるコーディング(Vibe coding)を実施していますか?」という質問の回答結果を示しています。過半数の回答者が毎日コーディングに携わっていると回答している一方で、Vibe codingの実施頻度は回答者によって大きく異なるようです。

回答者の内訳を見ると、必ずしもコーディングの頻度が高い回答者がVibe codingを実施する割合が高いわけではなく、割合で見るとむしろコーディングの頻度が低い回答者の方がVibe codingを実施する割合が高い傾向があることもわかりました。また、普段コーディングをしていても、Vibe codingを実施したことがない、またはほぼしないと回答した人も一定数いる様子がわかります。

AIコーディングアシスタントにおいて、使ったことがあるものはどれですか? という質問の回答結果のグラフ。GitHub Copilotの回答が264件。Claude Codeの回答が244件。Clineの回答が187件。Codexの回答が68件。Gemini CLIの回答が57件。Roo Codeの回答が32件。Continueの回答が18件。その他の回答が11件。

上記は「AIコーディングアシスタントにおいて、使ったことがあるものはどれですか?」という質問の回答結果で、回答の内訳は「月に何日コーディングに携わっていますか?」という質問の回答結果と組み合わせて表示されています。

LINEヤフーでは主に GitHub CopilotClaude CodeCline を利用している人が多いことがわかります。また、回答者の内訳を見ると、Codex は比較的普段コーディングをしている人に好まれているようです。なお、このアンケート結果は回答時からすでに5カ月が経過しており、現在はすでに回答状況が大きく変わっている可能性もある点に留意してください。

JavaScript関連

JavaScriptビルドツールに関する質問の回答結果のグラフ。回答数121のうち、Viteは使っているが67件、使ったことがあるが31件、聞いたことがあるが21件。tsc (TypeScript CLI)は使っているが65件、使ったことがあるが26件、聞いたことがあるが16件。webpackは使っているが62件、使ったことがあるが50件、聞いたことがあるが7件。esbuildは使っているが33件、使ったことがあるが37件、聞いたことがあるが30件。Rollupは使っているが24件、使ったことがあるが22件、聞いたことがあるが39件。SWCは使っているが17件、使ったことがあるが21件、聞いたことがあるが42件。Turbopackは使っているが15件、使ったことがあるが23件、聞いたことがあるが59件。tsupは使っているが11件、使ったことがあるが9件、聞いたことがあるが34件。

JavaScriptビルドツールに関する質問では、昨年もっとも使用されていた webpackVite が上回る結果となりました。また、グラフは掲載していませんが Vitest の使用率も Jest を上回っており、ビルドツールの刷新が進んでいる様子が明らかになりました。

Web Platform Baseline 2023の中で、主要なJavaScriptの機能の認知・使用状況を示すグラフ。回答数121のうち、Array by copyは使ったことがあるが20件、聞いたことがあるが10件。JavaScript modules in workersは使ったことがあるが8件、聞いたことがあるが9件。Device orientation eventsは使ったことがあるが6件、聞いたことがあるが8件。Constructed stylesheetsは使ったことがあるが5件、聞いたことがあるが9件。URL.canParse()は使ったことがあるが5件、聞いたことがあるが4件。Offscreen canvasは使ったことがあるが3件、聞いたことがあるが5件。Storage accessは使ったことがあるが2件、聞いたことがあるが6件。String isWellFormed() and toWellFormed()は使ったことがあるが1件、聞いたことがあるが1件。pdfViewerEnabledは使ったことがあるが0件、聞いたことがあるが2件。

Web Platform Baseline 2024の中で、主要なJavaScriptの機能の認知・使用状況を示すグラフ。回答数121のうち、Array groupingは使ったことがあるが9件、聞いたことがあるが18件。Promise.withResolvers()は使ったことがあるが8件、聞いたことがあるが14件。Set methodsは使ったことがあるが5件、聞いたことがあるが12件。checkVisibility()は使ったことがあるが4件、聞いたことがあるが4件。AbortSignal.any()は使ったことがあるが2件、聞いたことがあるが7件。requestVideoFrameCallback()は使ったことがあるが2件、聞いたことがあるが1件��。willReadFrequentlyは使ったことがあるが2件、聞いたことがあるが3件。Array.fromAsync()は使ったことがあるが1件、聞いたことがあるが15件。Transferable ArrayBufferは使ったことがあるが1件、聞いたことがあるが6件。

今年のアンケートでは、Web Platform Baseline に掲載されている新しいAPIから、使用割合の多い機能についての認知・使用状況を確認する質問も追加しました。その結果、もっとも普及している Array by copy の機能でも過半数の回答者は「聞いたことがない」と回答しており、ライブラリの活用状況に反して、Web Platformの新しい機能の認知はまだ十分に進んでいないことがわかりました。

CSS関連

CSSライブラリに関する質問の回答結果のグラフ。回答数121のうち、Sass/SCSSは使っているが59件、使ったことがあるが40件、聞いたことがあるが13件。Tailwind CSSは使っているが46件、使ったことがあるが50件、聞いたことがあるが24件。CSS Modulesは使っているが46件、使ったことがあるが41件、聞いたことがあるが19件。PostCSSは使っているが30件、使ったことがあるが33件、聞いたことがあるが28件。Styled Componentsは使っているが13件、使ったことがあるが53件、聞いたことがあるが32件。shadcn/uiは使っているが13件、使ったことがあるが13件、聞いたことがあるが37件。MUIは使っているが11件、使ったことがあるが48件、聞いたことがあるが32件。Bootstrapは使っているが9件、使ったことがあるが90件、聞いたことがあるが18件。Styled JSXは使っているが5件、使ったことがあるが32件、聞いたことがあるが46件。Lightning CSSは使っているが4件、使ったことがあるが7件、聞いたことがあるが28件。Emotionは使っているが4件、使ったことがあるが33件、聞いたことがあるが46件。Chakra UIは使っているが4件、使ったことがあるが25件、聞いたことがあるが63件。Pandaは使っているが3件、使ったことがあるが6件、聞いたことがあるが45件。Ant Designは使っているが0件、使ったことがあるが18件、聞いたことがあるが55件。Bulmaは使っているが0件、使ったことがあるが19件、聞いたことがあるが36件。Open Propsは使っているが0件、使ったことがあるが1件、聞いたことがあるが13件。

CSS ModulesTailwind の使用率は昨年と同様安定している一方で、よりマイナーなライブラリについては利用状況に動きがあることがわかりました。CSS in JSの各種ライブラリの使用率が減っている一方で shadcn/ui の普及が進んでいるようです。

Web Platform Baseline 2023の中で、主要なCSSの機能の認知・使用状況を示すグラフ。回答数121のうち、:nth-child()は使ったことがあるが72件、聞いたことがあるが12件。:has()は使ったことがあるが64件、聞いたことがあるが21件。Nestingは使ったことがあるが35件、聞いたことがあるが18件。Media query range syntaxは使ったことがあるが25件、聞いたことがあるが27件。Container queriesは使ったことがあるが22件、聞いたことがあるが24件。Masksは使ったことがあるが12件、聞いたことがあるが15件。Oklab and OkLChは使ったことがあるが8件、聞いたことがあるが12件。inertは使ったことがあるが8件、聞いたことがあるが8件。linear() easingは使ったことがあるが7件、聞いたことがあるが18件。outline shorthandは使ったことがあるが7件、聞いたことがあるが10件。color-mix()は使ったことがあるが3件、聞いたことがあるが19件。lh unitは使ったことがあるが3件、聞いたことがあるが6件。Hyphenationは使ったことがあるが3件、聞いたことがあるが6件。contain-intrinsic-sizeは使ったことがあるが3件、聞いたことがあるが5件。:autofillは使ったことがあるが2件、聞いたことがあるが9件。Two-value display propertyは使ったことがあるが2件、聞いたことがあるが10件。Import mapsは使ったことがあるが1件、聞いたことがあるが6件。:dir()は使ったことがあるが0件、聞いたことがあるが10件。Update frequency media queryは使ったことがあるが0件、聞いたことがあるが4件。

Web Platform Baseline 2024の中で、主要なCSSの機能の認知・使用状況を示すグラフ。回答数121のうち、text-wrapは使ったことがあるが29件、聞いたことがあるが22件。backdrop-filterは使ったことがあるが20件、聞いたことがあるが12件。Relative colorsは使ったことがあるが12件、聞いたことがあるが24件。scrollbar-widthは使ったことがあるが11件、聞いたことがあるが25件。Fetch priorityは使ったことがあるが8件、聞いたことがあるが9件。align-content in block layoutsは使ったことがあるが8件、聞いたことがあるが8件。light-dark()は使ったことがあるが7件、聞いたことがあるが29件。white-space-collapseは使ったことがあるが7件、聞いたことがあるが18件。scrollbar-gutterは使ったことがあるが7件、聞いたことがあるが8件。Registered custom propertiesは使ったことがあるが5件、聞いたことがあるが13件。Gradient interpolationは使ったことがあるが5件、聞いたことがあるが12件。font-size-adjustは使ったことがあるが4件、聞いたことがあるが17件。@starting-styleは使ったことがあるが2件、聞いたことがあるが3件。transform-boxは使ったことがあるが2件、聞いたことがあるが6件。

CSSではJSの結果とは対照的に、Web Platform Baselineの新しい機能の認知はJSよりも進んでいることがわかりました。とくに、::nth-child():has() は半数以上の回答者が「使ったことがある」と回答しており、CSSの新しい機能の認知はJSよりも進んでいる様子がうかがえます。

サーバーサイド開発関連

サーバーサイド開発で使用している開発言語はどれですか? という質問の回答結果のグラフ。Javaの回答が132件。Kotlinの回答が81件。JavaScript/TypeScriptの回答が56件。Pythonの回答が45件。Golangの回答が40件。PHPの回答が14件。その他の回答が10件。Perlの回答が7件。Rustの回答が7件。Rubyの回答が3件。Cの回答が1件。C#の回答が1件。

サーバーサイド開発で使用している開発言語はどれですか? という質問では、JavaKotlinJavaScript/TypeScriptPythonGolang が多く回答されていました。グラフの内訳は「あなたは累積して何年間サーバーサイドのコーディングを経験していますか?」という質問の回答結果となっており、PerlRust は比較的経験年数の長い回答者に好まれている様子がわかります。

サーバーサイド開発で使用しているインフラ環境はどれですか? という質問の回答結果のグラフ。Kubernetes as a Service (e.g. FKE; VKS; ZCP)の回答が118件。Container as a Service (e.g. App Runner; ZAP)の回答が115件。Infrastructure as a Service (e.g. VM; PM)の回答が65件。Function as a Service (e.g. Flava Function; Verda Functions; Funk)の回答が59件。その他の回答が3件。

LINEヤフーでは、大規模なプライベートクラウド基盤「Flava」を運用しており、サーバーサイド開発者の多くはFlavaや旧LINE、旧ヤフーのプライベートクラウド基盤上で開発を行っています。FlavaではAWSやGCPなどのパブリッククラウドと同様に多様なインフラ環境を提供しており、アンケート結果でも複数のインフラ環境を利用している様子がわかりました。

主に利用されているのは、Kubernetes as a ServiceContainer as a Service ですが、Infrastructure as a ServiceFunction as a Service も同様に活用されています。内訳を見ると、開発経験年数の長い回答者はKubernetesとVM/PMを利用する傾向があるようです。

iOS/Androidアプリ開発関連

iOS以外で対応しているAppleプラットフォームはどれですか? という質問の回答結果のグラフ。iPadOSの回答が32件。watchOSの回答が14件。対応していないの回答が8件。macOS (Catalyst or SwiftUI)の回答が5件。visionOSの回答が5件。tvOSの回答が1件。

iOSアプリ開発者に対する質問では「iOS以外で対応しているAppleプラットフォームはどれですか?」という質問で多様な回答が得られた点が印象的でした。iPadOS だけでなく、visionOS を対象とした開発も行われている様子がわかります。なお、こちらのグラフの内訳は、サーバーサイド開発の結果と同様にSwift/Objective-Cのコーディングの経験年数を問うものとなっています。

正�直なところ、私用の端末はAndroidですか? という質問の回答結果のグラフ。当然ですよ、そうじゃない人いるんですか?の回答が20件。ノーコメントの回答が18件。

Androidアプリ開発者に私用のスマートフォンのOSを質問したところ、回答が真っ二つに割れる興味深い結果となりました。

WWDCに現地参加したことはありますか? という質問の回答結果のグラフ。参加経験なしが38件。1回が5件。2~3回が7件。

Google I/Oに現地参加したことはありますか? という質問の回答結果のグラフ。参加経験なしが30件。1回が4件。2~3回が4件。

WWDCとGoogle I/Oへの参加状況に関する質問では、過半数が参加したことがないと答える一方で、複数回参加したことがあるとの回答も一定数ありました。LINEヤフーでは、WWDCとGoogle I/Oいずれも希望者には参加の機会が用意されており、イベント参加者によるWrap-upイベントも開催しています。

おわりに

今回はWebフロントエンドだけではなく開発者全般を対象としたアンケートとなったため、昨年よりもさらに多様な技術スタックやトレンドを把握することができました。一方で、アンケートに対するフィードバックでは、Flavaをはじめとしたインフラ基盤の開発者や、アプリケーション開発に留まらないサーバーサイド開発者への質問も増やしてほしいという声も多くみられました。次回のアンケートでは、さらに多様な技術スタックやトレンドを把握できるような質問内容にしていきたいと考えています。

LINEヤフーの開発者の多様な技術スタックやトレンドについて、このサーベイを通して少しでも興味を持っていただけたら幸いです。LINEヤフーでは、引き続きこのようなアンケートを通して、開発者の技術スタックやトレンドについて把握していく予定ですので、今後もぜひ注目してみてください。また、今回の調査に関して話したエピソードもPodcast「UIT INSIDE」にて話しているので、こちらもぜひ聞いてみてください。