こんにちは。LINEヤフーの永吉です。
今回は2025年の締めくくりとして開催した「LINEヤフー Developer Meetup #2 in Fukuoka」の様子を振り返ります。
イベント概要
12月8日(月)に、「LINEヤフー Developer Meetup #2 in Fukuoka」と称してイベントを開催いたしました。
イベントでは、サービス開発やそれを支えるプラットフォームの開発に携わっているLINEヤフーのエンジニアが登壇し、プロダクト開発や運用の過程で蓄積した知見や、挑戦、学びを共有しました。
- 日時:2025年12月8日(月)19:00〜21:00
- 場所:LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社 カフ ェスペース
- イベントページ(connpass):https://lycorptech-fukuoka.connpass.com/event/374612/

発表紹介
ここからは、イベントで行われた発表をそれぞれご紹介します!
発表1:「LINEスタンプ開発の日常」

LINEスタンプは、会話を彩るコミュニケーション手段として広く親しまれています。その多様な機能を支えているのが、LINEヤフーのスタンプ開発チームです。上原(Androidエンジニア)は、スタンプショップやスタンプサジェスト、LINEスタンプ プレミアムなど、ユーザーが日常的に使う体験の改善に携わっています。
近年では「追いスタンプ」や「リアクション機能」など新機能が追加され、細かなUI調整や使いやすさがアップデートされています。こうした機能の裏側では、LeSS Hugeを採用したスクラム体制のもと、企画・デザイン・QA・エンジニア・スクラムマスターが一体となって仕様策定から開発まで進めています。
開発は東京と福岡の2拠点に加え、海外出身のメンバーとも協業するグローバル体制です。Slackの翻訳ボットやZoomの同時通訳など、多言語環境での円滑なコミュニケーションを支える仕組みも整えられています。
技術面ではKotlinを中心に、Thrift、Room、Glide、Lichなど多様なライブラリを活用し、GitHub ActionsやJenkins、AI開発支援ツールも取り入れて生産性向上を図っています。ユーザーが気軽に使う1つのスタンプの裏には、こうした高度な技術と連携が存在しています。
発表2:「LINEスタンプサーバーサイド」
LINEスタンプの裏側では、多様なプロダクトと機能を支えるサーバーサイドチームが日々改善を続けています。本セッションでチャンドラが、その業務内容と最新の技術活用を紹介しました。

チームはスタンプ、着せかえ、絵文字、LINEスタンプ プレミアムなど広範な領域を担当し、検索やレコメンドといった機能の基盤も担っています。日常業務には機能開発やアーキテクチャ改善、オンコール、レビューなどが含まれ、安定したユーザー体験を支える体制が整っています。サーバー技術は「Java/Kotlin/Python」「Spring Boot/Armeria」「MySQL/MongoDB/Elasticsearch」「Spark/JupyterHub」など幅広く採用しています。
特徴的なのは他チームとの密な連携です。検索ではUniversal Search、LINEスタンプ プレミアムではLYPプレミアムチームと協働し、レコメン ドではLINE公式アカウントチームも含めて複数組織が関わる構造が示されていました。
AI活用も進んでいます。ChatGPTによる翻訳・理解補助、MCPサーバーを用いた開発効率化、さらにClaude AIを使った脆弱性スキャン自動化は、いずれも実務に直結する取り組みです。またJupyterHubによるML実験環境の整備は、チームの技術理解と分析高速化に寄与しています。
発表3:「Yahoo!ファイナンスにおける生成AIを活用した新機能紹介」
Yahoo!ファイナンスでは、株式投資に必要な情報を誰もが理解・活用しやすくするため、生成AIを用いた新機能の開発が進んでいます。バックエンドエンジニアの土谷が、投資初心者から上級者まで役立つAI活用機能を紹介しました。

代表的な機能が「決算短信AI要約」です。決算短信は投資判断に重要ですが難解な専門用語が多く、生成AIが主要ポイントを自動要約し、特に数値部分についてはハルシネーションを避けるためのチェック機構を組み込むことで、正確な情報提供を実現しています。
「AIアシスタント」は、自然 言語で株価・業績・ニュースなどを問い合わせられる対話型インターフェースです。従来の画一的な情報提供では得られなかった、ユーザーの疑問に対するYahoo!ファイナンス上の情報を提供し、投資情報の探索体験の改善に寄与しています。さらに「株価トレンドAI分析」では、移動平均線やMACD(移動平均収束拡散法)などのテクニカル指標を基に、生成AIがトレンド解説と予測レンジを提示してくれます。初心者には難しいチャート分析の敷居を下げ、熟練者の作業時間も削減することができます。これらの機能は、全国の拠点から構成されるスクラム体制で開発されており、今後も投資体験を前進させる新機能が投入される予定です。
発表4:「LINEギフト開発の裏側」
LINEギフトは、住所を知らなくても友だちへ気軽に贈り物を届けられるサービスです。フロントエンドエンジニアの片山が、その大規模サービスを支えるLINEギフト開発の舞台裏を紹介しました。

LINEギフトは「eギフト」「配送ギフト」など多様な贈り方に加え、キャンペーン・決済方法・複数の関連システムが複雑に絡み合っています。そのため、仕様は自然と大規模化し、安定的な改善には高い開発生産性が求められます。こうした背景から、開発組織は SERVER/FRONT/QA/スクラムマスターを含む50名以上で構成され、大きく3つのユニットに分かれてアジャイル開発を進めています。特徴的なのは、フロントエンド/バックエンド間の齟齬をなくすためOpenAPIを用いたAPI仕様策定や、企画やデザイナーなどの非エンジニアが、開発中のものでも簡単に動かして確認できるDeployPreviewなど、チーム間の認識ズレを防ぐ工夫です。
そのほか、安全で効率の良い開発を実現するために、技術基盤の改善も継続的に進めています。まず、型安全性と可読性を高めるためにフロントエンドはJavaScriptからTypeScript、バックエンドはPerlからJava/Kotlinへ段階的に移行を進めています。インフラは仮想マシンからKubernetesへ置き換えを進め、運用の自動化とスケーラビリティを強化しています。テストについても、フロントエンド・バックエンド・QAの各レイヤーでE2Eや統合テストといった自動テストの整備も積極的に取り組んでいます。
LINEギフトの裏側には、複雑な仕様を支えるための工夫と、変化に強いチーム開発文化が息づいていると感じました。
懇親会
発表終了後には懇 親会を開催しました。登壇者に参加者が質問をしたり、参加者同士で意見交換をしたりと非常に盛り上がっていました。

おわりに
「LINEヤフー Developer Meetup #2 in Fukuoka」は、多くの参加者にお越しいただき盛況のうちに終了しました。2026年も、LINEヤフー福岡拠点ではエンジニア同士が学び合い、つながれる場を継続的に提供していきたいと考えています。ぜひ次回のDeveloper Meetupでもお会いできることを楽しみにしています。
2026年も、LINEヤフー福岡拠点のイベント情報や開発者向けコンテンツを発信していきます。興味のある方は、LINEヤフー Tech 福岡 connpassやDevPods Fukuokaもぜひチェックしてみてください!


