こんにちは!LINEヤフー 分析ユニット OA Divisionの柳です。
10月22日に株式会社AbemaTVとの共催で、データサイエンス関連の事例を共有するイベントを開催しました。本記事では、イベントの様子や発表内容を紹介していきます!
イベント概要
10月22日(水)に、「LINEヤフー ABEMA Meetup 〜データサイエンス〜」と称してイベントを開催いたしました。イベントでは、LINEヤフー、株式会社AbemaTVそれぞれ2名から発表が行われ、評価指標、標準化活動、マネジメント、ロジック改善と幅広い事例が紹介されました。
発表終了後は、参加者と登壇者で交流を行うための懇親会を開催しました。発表に関する話題だけでなく、現場で抱えている課題やその解決方法について意見交換が行われ、大いに盛り上がりました。
- 日時:2025年10月22日(水)19:00〜21:55
- 場所:LINEヤフー株式会社 紀尾井町オフィス 17F 会議室
- イベントページ:https://lycorptech-jp.connpass.com/event/370887/

発表紹介
ここからは、イベントで行われた発表をそれぞれご紹介します!
発表1:「NDCG is NOT All I Need.」
はじめに、LINEヤフーの佐野より「NDCG is NOT All I Need.」というタイトルで発表がありました。

LINE公式アカウントでは、ユーザーが好むであろう公式アカウントが推薦される面が存在します。本発表では、推薦モデルの改善 にて、オフライン検証では性能が改善したにもかかわらず、A/Bテストでは既存モデルからの改善が確認できなかったという事例が共有されました。
このような事象が発生した原因は、評価指標の設定にありました。オフライン検証では推薦分野でよく利用される指標を使っていましたが、推薦結果を表示する面の性質やユーザーの行動分析の結果から、この指標が適切でないことがわかったそうです。これを踏まえ、A/Bテストを行う際はML(Machine Learning)チームからオフライン検証の内容について共有してもらい、評価指標が適切かどうかを事前に確認できるようにフローを改善したとのことでした。
発表2:「A/Bテストの分析の型化と推進について」
次に、株式会社AbemaTVの大石さんより「A/Bテストの分析の型化と推進について」というタイトルで発表がありました。

ABEMAではプロダクト施策においてA/Bテストを実施することが前提となっており、プロダクトの素早い改善のためにA/Bテストの本数を増やしたいという課題がありました。一方で、A/Bテストの実施にはデータサイ エンティストの工数が必要となるため、単純にA/Bテストの本数を増やすことは困難です。
そこで、頻出の分析を高速に実施して、レポーティングするシステムを開発し、社内で展開したそうです。このシステムにより、A/Bテストの実施本数が前年よりも増加し、品質を落とさずに分析工数の削減を実現したとのことでした。
発表3:「データサイエンティストのマネージャー1年目でやってよかったこと」
続いて、LINEヤフーの松田より「データサイエンティストのマネージャー1年目でやってよかったこと」というタイトルで発表がありました。

マネージャーという役割で求められる「チームの成果の最大化」に対して必要な要素を洗い出し、それぞれの要素に対して取り組んだことが共有されました。
共有された内容に1年間取り組んだ結果、チームメンバーのエンゲージメント向上や組織の拡大など、マネージャーとしてさまざまな成果を出すことができたそうです。また、マネージャーとしてのスキルに加え、物事を多角的に捉える力など、プレイヤーにも求められる能力も向上した実感があったとのことでした。
発表4:「ABEMAにおけるバンディットアルゴリズムの改善」
最後に、株式会社AbemaTVの宇戸さんより「ABEMAにおけるバンディットアルゴリズムの改善」というタイトル で発表がありました。
ABEMAのある表示枠では、どのコンテンツをユーザーに推薦するかがバンディットアルゴリズムで決定されています。この表示枠では、多数のユーザーセグメントに視聴されやすいコンテンツが推薦されやすく、少数のユーザーセグメントに視聴されやすいコンテンツが推薦されにくいという課題があったそうです。
これに対して、ユーザーセグメントごとにバンディットアルゴリズムを適用するという解決策をとりました。

検証の結果、表示枠経由の視聴数が増加しており、ポジティブな効果があったそうです。また、深掘り分析を通じて、施策による効果には異質性があり、課題があった少数のユーザーセグメントで改善幅が大きかったとのことでした。
懇親会
発表終了後には懇親会が開催されました。登壇者に参加者が質問をしたり、参加者同士で意見交換をしたりと非常に盛り上がっていました。また、今回のイベントではデータサイエンティスト以外にも、機械学習エンジニアの方や学生の方にご参加いただいていたため、属性を超えてざっくばらんに交流する機会になったのではないかと思います。
おわりに
「LINEヤフー ABEMA Meetup ~データサイエンス~」は、多くの参加者にお越しいただき盛況のうちに終了しました。データサイエンスに関するさまざまな話題について事例を発表していただき、交流の場を設けることで、ご参加いただいた皆さまにとって役に立 つ情報が少しでも得られた会になっていれば幸いです。
データサイエンス関連のイベントは今後も開催していきたいと考えておりますので、ぜひ次回以降の参加をご検討ください!


