LINEヤフー Tech Blog

LINEヤフー株式会社のサービスを支える、技術・開発文化を発信しています。

iOSDC Japan 2026のブースで実施した「リアル知恵袋」の裏話

集合写真

こんにちは、iOSエンジニアのyamakenです。

2026年9月11日から9月13日までの3日間にわたって開催されたiOSDC Japan 2026に、LINEヤフーはゴールドスポンサーとして協賛しました。また、LINEヤフーからは7名が登壇しました。イベント中は多くの方にブースにお越しいただき、ありがとうございました。

本記事では、ブースで実施した企画の概要から、その裏話までを紹介します。

ブースの概要

今回のブースでは、Yahoo!知恵袋をベースとした「リアル知恵袋」という企画を実施しました。黄色い付箋に悩みを書いて貼ると、他の誰かがその悩みへの回答を青い付箋に書いてくれる、という企画です。

集まった悩みと回答の付箋

実際のYahoo!知恵袋には「なるほど」「そうだね」「ありがとう」といったリアクションボタンや、ベストアンサーという仕組みがあります。これらをリアル知恵袋でも再現できないかと考え、共感した付箋にはリアクションシールを、自分の悩みによい回答がついていたらベストアンサーシールを貼ってもらうことで、よりYahoo!知恵袋らしくなるよう工夫しました。

企画の思いつき

iOSDC Japanのテーマ「コミュニケーション」から発想を得て、何かコミュニケーションというテーマでブース企画をできないかと考え、今回の「リアル知恵袋」を思いつきました。このリアル知恵袋では、自分が書いた悩みに誰かが反応してくれるかなー?と後々見にきて、何かあればシールで反応したり、場合によっては追加で付箋で書いたりなど、掲示板のような非同期コミュニケーションが取れたら面白いだろうなと考えました。実際狙い通りな企画として成り立ったと思います。

企画段階では予想してなかった方向へ

企画段階では、悩みのテーマは技術に関わらずなんでも良いと思ってました。ただ、当日になると本当に自由に皆さん悩みを書いていただけて、育児から就活、次回のイベントの開催場所、iPhone Duo買うか?など、さまざまなテーマで書いていただけました。そして若干大喜利のようなものになったり、回答が少しネタに走ってるものがあったりなど、予想していなかった方向で成り立っていきました。おかげさまで、ただ眺めてるだけでも面白いコンテンツになったと思います。

付箋が溢れるくらい一杯になりました

最終的には付箋を貼る場所がなくなり、一部アーカイブせざるを得ない状況になりました。

実はこんなものも

せっかくのテックカンファレンスなので、アナログだけで完結させるのはもったいないと考えていました。そこで、付箋の文章をOCRで読み取り、頻出単語をワードクラウドにすれば、iOSエンジニアの皆さんの悩みを可視化できて面白そうだと思いつきました。

こんなイメージです

そこで、実際にワードクラウドを表示するmacOSアプリを開発しました。

中央に出ているのが、定期的にカメラから読み取った画像内に、頻出する単語を並べたものです。

頻出単語を解析してワードクラウドのように表示するアプリ

手書きOCRの難しさ

このアプリの開発で最も苦戦したのは、付箋に書かれた手書き文字をOCRで精度よく読み取ることです。

最初はVision frameworkを利用して手書き文字をOCRさせてみたところ、付箋1枚が大きく写っている画像であれば問題なく読み取れました。

Vision frameworkで単体の手書き文字OCR

ただし、当日は多くの付箋から大量の手書き文字を読み取る必要があります。実際の展示を想定した条件で試したところ、なかなか精度が上がらず、期待した結果を得られませんでした。

Vision frameworkで大量の手書き文字OCR

せっかくのiOSカンファレンスなのでAppleのVision frameworkを活用したかったのですが、ほかの手段もいくつか検証し、最終的には画像を扱えるローカルのマルチモーダルモデルを採用しました。

このモデルも精度がかなり高い!...というわけではありませんが、Visionに比べたら精度がそこそこよかったので採用としました。

Foundation Modelsではどうか

もちろんFoundation Modelsでも試していました。WWDC26で、Foundation Modelsが画像を理解できるようになると発表されていたため、macOS 27のbetaを導入した端末で検証しました。Foundation Modelsのpccでも完璧に読み取れたわけではありませんが、体感では、ほかの手法に比べて圧倒的に高い精度で読み取れました。

Foundation Modelsでも検証

可能であればFoundation Modelsを採用したかったのですが、iOSDCの開催時点では、まだiOS 27やmacOS 27が提供されていなかったため、採用を見送りました。

今回用意したワードクラウドのmacOSアプリは当日に展示することも検討しました。しかし、アナログのリアル知恵袋だけで十分にコンテンツとして成り立っており、これ以上情報量を増やすと参加者を困惑させる可能性があると考え、展示を見送りました。とはいえ、手書き文字のOCRを検証するよい機会になりました。

おわりに

今回の「リアル知恵袋」は、LINEヤフーならではの企画になったと思います。付箋の内容が面白く、何度も足を運んでくださった方もいました。

最後になりますが、ブース運営を手伝っていただいたLINEヤフー社員の皆さん、今回の企画に協力していただいたYahoo!知恵袋担当の皆さん、そしてブースに足を運んでいただいた皆さん、ありがとうございました。

集合写真