LINEヤフー Tech Blog

LINEヤフー株式会社のサービスを支える、技術・開発文化を発信しています。

LINEヤフーの技術カンファレンス「Tech-Verse 2025」速報レポート

Tech-Verse 2025

LINEヤフー株式会社(以下、LINEヤフー)は、AIをメインテーマとした技術カンファレンス「Tech-Verse 2025」(以下、本カンファレンス)を開催しました。

2025年6月30日(月)と7月1日(火)の2日間で、会期中の来場者は延べ1,200人以上、Webサイト訪問者は延べ7,000人以上、動画視聴数は6,000以上の視聴と、盛況のうちに幕を閉じました。

Keynoteを皮切りに、12カテゴリー131のセッションを実施。これまでLINEヤフーグループ各社の開発・研究を通じて積み重ねられた成果や得られた知見、そして最先端技術などについて、事例を交えて発表しました。また会場では、「Change and Change」をテーマに、「五感で感じる変化体験」ができる空間演出がされ、来場者に「1日を通した空間体験のデザイン」が提供されました。

Keynote

Keynote

LINEヤフーの上級執行役員 CTO(Chief Technology Officer) 朴イビンが、Tech-Verse2025開催の背景やKeynoteのトピックスを説明しました。

Platform Integration(LINEヤフーのプラットフォーム統合)

2つの企業の合併で必要になったプラットフォーム統合について、サービスインフラグループ長の冨川修広が紹介しました。

冨川修広

  • なぜ自社クラウドを持つのか?
    • 平均で約4倍、圧倒的なコストメリット
    • LINEヤフーならではのサービス規模、多様なサービス群に対し共通項を横断的に対応
    • 合併により重複するプラットフォームやインフラなど、二重環境の解消
    • お客様へ更なる安心と安全を届けるためのセキュリティ強化と、イノベーションの加速

冨川は、「このプラットフォームにより、私たちはより安全に、速く、そして大胆に技術革新に挑戦できます。その挑戦が、ユーザーの皆様の生活をより豊かなものにする未来を作り上げて行きたい」と締めくくりました。

AI Strategy(AIカンパニーを目指すLINEヤフーのAI戦略)

LINEヤフーのAI戦略について、CTOの朴イビンが紹介しました。

朴イビン

  • すべてのサービスのAIエージェント化
    • 既に生成AIが導入されたサービスは約44件
    • 数千万のエージェントが作成可能
    • それを連携しパーソナルエージェントを実装、ユーザー1人ひとりのやりたいことをサポート
  • 開発環境そのものも劇的に進化させる
    • AI開発ソリューションを提供、7月から全エンジニアに本格導入
    • RAGに蓄積した社内ナレッジを活用し、より高い品質を担保できることが最大の強み(ナレッジやさまざまなガイドラインを理解)
    • PoCの結果、Code Assistは正答率96%、Auto Testは97%時間短縮、などの成果

朴イビンは、「環境を飛躍的に改善することで、エンジニアがサービス改善に集中し、より優れたサービスを速く提供できるようになります。それにより、ユーザーに『WOW』なライフプラットフォームと『!』がある日常を提供することが、私たちの最終ゴールです」と締めくくりました。

Keynoteのスライドはこちらをご覧ください。

Global CTO Session

Global CTO Sessionでは、CTO 朴イビンとともに、LINE Plus CTO Kwon Snow、LINE Taiwan Limited CTO Chen, Hung-Chia(Chen Marco)、LINE Company(Thailand) CPO/CTO Kasetsin, Weera(Ball)が登壇しました。

「LINE Premium」のタイでのローカライズ、「LINE OAショップ」、「OA Plus」、「LINEメッセンジャー」のグローバルコラボレーション、などの事例とともに、LINEヤフーグループのグローバル会社がどのように連携し、各国でサービスを展開しているかを紹介しました。

CTOs

CTO 朴イビンが「国も言語も異なるエンジニア同士がシナジーを生み出すというのは、決して簡単なことではなく、そのチャレンジをこれまで続けてきた私たちのエンジニアたちに、心から拍手を送りたい」と語り、Global CTO Sessionを締めくくりました。

Global CTO Sessionのスライドはこちらをご覧ください。

その他のセッション

AI、Security、Server Side、Private Cloud、Infrastructure、Data Platform、AI Use Cases、Frontend、App、Design、Product Management、Engineering Management、のカテゴリーで131のセッションを実施しました。

スライドはこちらからご覧ください。Tech-Verse 2025 (Speaker Deck)

Product Street(サービスの技術紹介ブース)

開発担当者とダイレクトに交流できるよう、サービスの紹介パネルを展示するProduct Streetを設けました。どの時間も、たくさんの参加者がブース担当者と直接熱心に会話する姿が見受けられました。

ブース

その他会場の様子

Day1に行われた懇親会では有名店シェフ監修の食事が提供され、ベストスピーカー賞の受賞者による鏡開きも行われました。また、LINE公式アカウントで行われているスタンプラリーやアンケートに参加すると豪華なノベルティがもらえるなど、来場者をワクワクさせる仕掛けもたくさん実施されました。
会場の様子

最後に

後日、YouTubeでの動画やTech Blogでの記事も予定しています。
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イベントにご参加いただいた皆さまに、心より感謝申し上げます。皆さまのおかげで、素晴らしい時間を共有することができました。運営として関われたことを嬉しく思います。今後もより良いイベントを提供できるよう努めてまいりますので、引き続きご支援をお願いいたします。

「Tech-Verse 2025」開催概要

  • 開催日時:6月30日(月)、7月1日(火)
  • 開催形式:オンライン(Zoomウェビナー形式)、オフライン(招待制)紀尾井カンファレンス
  • 言語:日本語、英語、韓国語
  • 公式サイト:https://tech-verse.lycorp.co.jp/2025/ja/