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アクセシビリティカンファレンス福岡 2025 参加・協賛レポート

テクノロジーエンハンスメントディビジョン WebアクセシビリティWG 富田です。2025年12月6日に開催されたアクセシビリティカンファレンス福岡 2025にプラチナスポンサーとして参加しました。

本イベントは「地方からアクセシビリティ活動の枠を広げていく」という理念のもと、東京以外での開催を掲げているカンファレンスです。2023年にはLINEヤフーコミュニケーションズが会場となりました。

3度目の開催となる今回は、実行委員長の交代や、運営事務局が一般社団法人になるなど運営体制に大きな変化がありましたが、昨年同様、福岡・天神南駅近くの警固神社社務所ビルでの開催となりました。

前夜祭とイベント当日

イベント前日の夜には、LINEヤフー福岡オフィスにて前夜祭が開催されました。

実行委員長の中村祐貴子さんからは、今回のテーマである「つながるせかい」についてのお話があり、LINEヤフーからは中野がスポンサーLTとして社内のアクセシビリティへの取り組みを紹介しました。

前夜祭の会場写真。写真奥にはLINEヤフー中野が登壇しており、スライドが壁面に大写しになっている。手前の客席は参加者でほぼ埋まっている。

カンファレンス当日は、スポンサーセッションでの登壇に加えブース出展も行いました。会場内では、アクセシブルな導線設計、リアルタイムでの手話通訳やライブ字幕による情報保障、託児スペースの設置など、前回までと同様に手厚いサポートが提供されていました。

手話通訳やライブ字幕が表示されているノートパソコンの写真。現在表示しているスライド、手話通訳者、音声書き起こしテキストが画面を分割して表示されている。

会場の全面にあるスクリーンの写真。LINEヤフー高宮の自己紹介スライドが表示されている。

スポンサーセッション時の場内全体を写した写真。手前は参加者が座っており、奥ではLINEヤフー富田が登壇している。

参加者の熱量も非常に高く、前回・前々回と同様に、アクセシビリティに対する強い関心と前向きな空気を感じる一日でした。

イベントに参加してみて

普段はなかなか接点のない、障害当事者の方や、障害当事者と直接仕事をされている方によるセッションを聴講できるのは、アクセシビリティカンファレンスならではの体験です。

なかでも印象に残ったのが、国内のアクセシビリティガイドライン策定に長年関わってきた植木さんのセッションでした。アクセシビリティ推進の現場で起きているアクセシビリティ担当者のバーンアウト(燃え尽き)というトピックは、強く共感する内容でした。

本来UXの文脈で語られる「ユーザーが安心して利用できる状態」を目指すTrauma Informed Design(TID)の原則を、アクセシビリティ推進の業務そのものに取り入れることで、バーンアウトを軽減できるのではないかという提案には大きな説得力がありました。組織の中でアクセシビリティ推進を持続可能なものにしていくための重要な視点を得られたと感じています。

このセッションは、メイン会場とは別のスポンサーブースがある部屋で聴講していましたが、ブース出展していた各社の担当者もアクセシビリティ推進の当事者であるためか、セッション後は会場全体の空気が変わったように感じられたのも印象的でした。

参加メンバーそれぞれの感想

今回も、前回と同様に複数人で参加しましたので、それぞれ参加した感想を書いてもらいました。

慶島亜門(LINEギフト)

2024年は「つぎはどうする」と前を向く、でも決して楽観的ではなく、聞いていて何度もはっとさせられるような話が多かった印象があります。前に進む覚悟や、簡単には進めない現実を突きつけられるような感覚がありました。

そんな流れを受けての2025年、「つながるせかい」というテーマは、個人的にはとても自然に腑に落ちました。自分自身、アクセシビリティについてはここ数年とにかく走ってきた感覚があり、今年は少し落ち着いて「じゃあ、他の人たちはどうしているんだろう?」と社内外に視野を広げるタイミングに来ていたように思います。今回のカンファレンスは、まさにその視点を持つ良い機会でした。

普段取り組んでいるWebアクセシビリティに近い話題も多くありつつ、グリズデイル・バリージョシュアさんの「最強のおもてなし」や、東急株式会社さんのスポンサーセッション「東急・東急電鉄のアクセシビリティへの取り組みについて」では、よりリアルワールドなアクセシビリティについて触れられたのが印象的でした。Webの文脈だけで考えていたことが、実際の体験や場づくりとどうつながっていくのかを考えるきっかけになりました。

また、年末に近い時期ということもあり、「この一年、自分は何をやってきたんだろう?」と振り返る気持ちも強くなります。植木さんのセッションで語られていたバーンアウト(燃え尽き)を防ぐための話には、「そうだよね…」「わかる…」と素直に共感していました。前を向き続けることも大事だけれど、立ち止まって自分の状態、まわりの状態を確認することも、同じくらい大事なんだと改めて感じました。

中野信(WebアクセシビリティWG)

昨年に引き続き2回目の参加となります。今年も昨年同様、参加者と登壇者両方の参加意欲が高く、最後の懇親会まで充実したカンファレンスだったと感じました。スポンサーとして参加した視点としては、去年参加していた会社に代わってITではない異なる業種のスポンサーがブースを出して登壇するといった変化も見られ、「アクセシビリティ」という概念の広がりを感じました。また、個人的には、長らくお話される機会のなかったインフォアクシアの植木さんの登壇を聞けてとても満足しています。

高宮一樹(Yahoo! JAPANトップページ)

Yahoo! JAPANトップページ開発の高宮です。

今回、富田さんと中野さんにお声がけいただき、アクセシビリティカンファレンス福岡 2025で登壇させていただきました。このカンファレンスに参加するのは今回が初めてでした。

今年のテーマ「つながるせかい」に絡めて、アクセシビリティ初心者の私が、アクセシビリティ推進の取り組みのリードを任される中で、どのような「せかい」とつながりながら活動してきたかをお話ししました。残念ながら体調不良で現地には行けませんでしたが、Xでの感想ポストでポジティブな反応をいただき、モチベーションが高まりました。

オンラインでセッションを視聴し、Webにとどまらない物理的なアクセシビリティや観光分野でのアクセシビリティのお話を聞けたのが特に興味深く、まさに「つながるせかい」を感じました。多くの刺激と発見があり、参加して本当に良かったと強く感じています。

引き続きYahoo! JAPANトップページのアクセシビリティを推進し、次は「トップページはこんなにもアクセシブルになった」と自信を持ってお伝えしたいと思いました。

ブース出展について

今回のブースでは、登壇では扱わなかった社内でのアクセシビリティ推進の取り組みを、ポスターやペーパーにまとめて紹介しました。ノベルティとあわせて配布し、多くの方に足を止めていただきました。

ブースはメインセッション会場の隣の部屋でしたが、セッションの合間にも多くの来場があり、最終的には約80名の方にLINEヤフーのWebアクセシビリティへの取り組みを紹介することができました。

LINEヤフースポンサーブースで撮影された現地参加メンバーの写真。手前にはLINEヤフーと書かれた幕が敷かれた机があり、卓上にノベルティやペーパーが並んでいる。その前に掲示用のポスターが立てかけてある。ブースの後ろにはLINEヤフーの中野、富田、慶島の三人がならんで立っている

おわりに

今回のカンファレンス参加を通じて、新しい視点や知見を得られたことはもちろん、アクセシビリティに取り組む仲間や、新しくこの『せかい』に飛び込んできた方々と出会えたことで、「これからも続けていく」という気持ちを改めて確認できました。

個人としても、チームとしても、非常に有意義な体験となったカンファレンスでした。

今後も私たちは、このようなカンファレンスへの参加・協賛を通じて、最新の技術トレンドをキャッチアップしながら、日本の技術コミュニティの活性化に貢献していきたいと考えています。また皆さんとお会いできることを楽しみにしています!

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