こんにちは。公式アカウントチームでデータサイエンティストをしている安藤です。最近は、LINEプロモーションスタンプというプロダクトについてデータ分析の観点から改善を手伝う業務に取り組んでいます。
2024年12年7日(土)にRの勉強会イベントであるJapan.R 2024が、紀尾井町オフィスで開催されました。Rとは統計処理や可視化のソフトウェアであり、日本各地に勉強会のコミュニティが存在します。弊社でも、データサイエンティストやデータアナリストを中心に根強いRユーザーがおり、データ分析(統計モデリング)や可視化の際にRを頻繁に使わせていただいております。
Rのコミュニティイベントの中でも、Japan.Rは各地のコミュニティが一堂に会する年に1回の大規模なイベントであり、光栄なことに今年は弊社が会場提供スポンサーとして協賛させていただきました。今年のJapan.Rは、海外から豪華なゲストを招いたり、コンテンツ盛りだくさんで大変盛り上がりましたので、イベントの様子をレポートとしてお届けします。
Hadley Wickhamさんの基調講演
Japan.R 2024の目玉コンテンツは、やはりHadley Wickhamさんを招いての基調講演と言えるでしょう。Hadley Wickhamさんは、現在Posit Softwareのチーフサイエンティストを務めており、tidyverseなどのさまざまなRパッケージの開発を始め、Rに多大な貢献をなされている方です。日本のRの勉強会コミュニティでは、2018年のTokyo.R以来となる2回目の発表でした。今回は、「What am I working on at the moment?」というタイトルで、Hadley Wickhamさんが現在取り組んでいることや、Rでの開発におけるマインドについてお話いただきました。Rのユーザーとして、今まで使用していた機能がどのような経緯や哲学のもと作られたのかを知ることができる貴重な機会となりました。
コミュニティトーク
コミュニティトークセッションでは、日本各地のRの勉強会コミュニティの代表者がそれぞれのコミュニティの様子を報告しました。Rの勉強会コミュニティは、札幌から福岡まで点在し、勉強会方式でRに関するコンテンツを発表するコミュニティもあれば、もくもく会をしているコミュニティなど、そのあり方は多岐にわたります。また、地方コミュニティならではのグルメや温泉といった観光資源を押し出すコミュニティもあり、イベント招致さながらの熱烈なアピールも見られました。Rの勉強会コミュニティは、その地方に住んでいないと参加できないというわけではなく、基本的に誰でも参加可能なものなので興味がある方はぜひ参加してみてください。
その他のセッションやLT
他にも発表時間が10分または20分のロングトークや、5分厳守のLTのセッションもありました。これらのセッションでは、弊社のデータサイエンティストも登壇しました。ロングトークでは、前田和寛さん が今年リリースされたRのIDEであるpositronの機能について紹介しました(発表資料: Will Positron accelerate us?)。
また、LTでは小坪琢人さんが、dbtでdplyrパッケージのような記述ができるmacroであるdbtplyrに関する発表を行いました(発表資料: dbtplyrを使ってみる)
今年のJapan.Rの発表傾向として、Rを使った分析手法や可視化ではなく、開発や実装に関する発表が多い印象を受けました。 発表資料の多くはJapan.R 2024のconnpassページにまとめられているため、ぜひのぞいてみてください。
おわりに
どの発表も大変興味深く、新たな気づきがあり、Rのコミュニティの暖かさに触れられるイベントとなりました。また、Hadley Wickhamさんをはじめ登壇者皆様の発表を受けて、RとRのコミュニティのさらなる発展に期待せずにはいられません。この記事を読んで、少しでもRに興味を持ってくれたり、Rの勉強会コミュニティイベントに参加してくださる方がいらっしゃれば幸いです。Enjoy!!!!