こんにちは。Developer Relationsの藤原です。
2024年12月8日(日)にWebサービスの高速化を図るチューニングバトル「ISUCON14」を開催いたしました。本記事では、LINEヤフーが運営となって毎年開催しているイベント「ISUCON」のご紹介と本年開催された「ISUCON14」のレポート、運用体制についてご紹介します。
また、期間限定で実施しているISUCON14のお試し期間についてもご紹介します。
ISUCONとは
ISUCONとは、Iikanjini Speed Up Contestの略で、お題となるWebサービスを決められたレギュレーションの中で限界まで高 速化を図るチューニングバトルです。2011年にライブドア株式会社(当時)のエンジニア有志により発足(当時の告知ブログ)し、以後運営がLINE株式会社、LINEヤフー株式会社と変わりながら、年に1度のペースで開催され、今年が14回目の開催となります。現在の公式サイトは isucon.netです。
競技形式
近年のISUCONの開催形式についてご紹介します。
競技は1名から3名までのチーム対抗戦となります。参加チームのメンバーは競技前にポータルと呼ばれるサイトへ参加登録と事前準備を済ませます。競技は10時から18時の8時間で、競技開始とともにポータルにお題となるWebサービスの初期実装コードとマニュアルが公開され、競技者はそれらをもとに高速化に向けたチューニングを始めます。競技者が変更を加えた後、ベンチマーカーと呼ばれるアプリケーションが負荷走行をし、スコアを算出します。競技中の最後のスコアを最終スコアとして、最終スコアの大きさで順位が決まります。
ISUCON12までは予選と本戦という形でお題を2つ用意し、2日に分けて開催していましたが、ISUCON13からは1つのお題、1日のみの開催で、最終順位を決定しています。チームには順位に応じて賞金やトロフィーが授与されます。写真はISUCON14の優勝トロフィーです。
多くの方々からのご協力
ISUCONは運営はLINEヤフーが行っていますが、社外 の方や、企業の方に多大なるご協力をいただき開催しています。
まず、お題となる問題については基本的にはLINEヤフー以外の企業の方々にご協力いただき作成しています。また、競技に必要なサーバーについてもご提供いただいております。過去に問題を出題いただいた企業・サーバー提供企業、優勝チームはISUCON創設者の1人である櫛井さんのXのPostにまとまっていますので、興味ある方はご覧ください。
ISUCONの出題・サーバ提供・優勝チームをまとめた「ISUCONの歴史」最新版です #isucon pic.twitter.com/r8pQUKGvNP
— 941 / kushii (@941) January 5, 2024
ISUCON10からは協賛スポンサーの募集も行っており、スポンサー企業からは企業賞の提供もいただいています。企業賞の授与の条件は単純な順位だけではなく、「最終スコアで7が一番多いチーム」や「最後の1時間でスコアが最も上がったチーム」など、ユニークな条件の企業賞もあり、結果発表の際は参加者の皆さまもドキドキしながら発表を見ています。
ISUCON14
本年度はISUCON14と称して、2024年12月8日(日)に開催いたしました。ISUCON14には834チーム、合計1920名の方にご参加いただき、いずれも過去最高となります。競技開始は10時、終了は18時で、競技終了後結果集計をし、20時に結果発表をするという流れで開催しました。ISUCON14はハイブリッド形式で開催され、YouTubeでのライブ中継でお題の発表、各賞の紹介や結果発表を実施しました。オフライン会 場としてはLINEヤフーのオフィス内にあるOpen Collaboration Hub「LODGE」を使用し、14チームの方にオフライン会場から競技にご参加いただきました。
YouTubeのライブ中継のアーカイブは以下からご覧になることができます。
また、オフライン会場の様子は以下の公式サイトのイベントレポートからご覧になることができます。
ISUCON14 運営体制
ISUCON14の運営は主に以下の4つの役割に分かれて運用いたしました。
- 運営
- 作問・ポータル
- 言語移植
- アドバイザリー
運営
公式サイトにおける告知、スポンサーの募集、各種イベントグッズの発注、YouTube配信、オフライン会場設営など、イベント全般の運営を担当しており、LINEヤフーの社員が行っています。3名程度が中心となって準備を進め、当日の運営も加えて合計6名程度で実施しました。
作問・ポータル
競技のお題、そして参加者管理・スコア算出をするポータルを作成する役割です。前述のとおり、LINEヤフー以外の会社の方に協力をお願いしており、ISUCON14においてはポケットサイン株式会社の皆さまへお願いいたしました。LINE ヤフーのエンジニアもフロントエンドの実装を担当しており、2社あわせて14名程度で作問しました。
言語移植
お題となるWebサービスの初期実装は近年はGo言語で実装されるので、それをNode.jsやRubyなど、他の言語へと移植する役割です。こちらは各言語につき1、2名の有志の方々にご協力いただき、ISUCON14ではNode.js、Ruby、Python、Rust、PHP、Perlへと移植をしました。
アドバイザリー
お題の作成や、運営全般において知見のある方に協力いただき、適宜アドバイスをいただいて実施しました。
おわりに
ISUCONは14年も続く、過去の実績も所属している会社も全く関係ない、結果が全てのガチンコバトルです。それゆえ、競技中には皆さま真剣に取り組みますが、終了後は互いに健闘を称え合い、また上位に入賞されたチームを称賛するような、そんなイベントとなっています。興味を持たれた方は、過去問をといてみたり、ISUCON14のお試し期間にぜひ今年の問題にチャレンジしていただけると運営一同嬉しく思います。
ISUCON14 お試し期間
2025年1月17日16時までの期間限定ですが、ISUCON14で使用したポータルに新規登録し、問題に挑戦できます。詳しい方法については以下のISUCON公式サイトの記事をご覧ください。