こんにちは!LINEヤフーのローカル統括本部でエンジニアをしている大西です。
LINEヤフーが主催する学生向けハッカソン「Hack U」をご存じでしょうか? この記事では、東京・大阪で開催されたOpen Hack U 2024の様子をご紹介します。学生たちが2週間で作品に詰め込んだ思いを感じていただければと思います。
Hack Uとは
Hack Uは、限られた期間内で学生自身がプロダクトの企画、開発、そして発表を行うハッカソンイベントです。小学生以上の学生であれば誰でも参加可能で、2人から6人のチームを組んで、開発した作品を競い合います。
最大の特徴は、LINEヤフー現役社員が参加チームのサポートにつく ことです。エンジニア・デザイナー・プランナーなどさまざまな職種の社員が参加しており、開発中に困ったことはDiscordやZoomを使って相談できます。腕に自信のある学生さんはもちろん、初めてのものづくり経験としてもおすすめのイベントです。発表はYouTubeでライブ配信されるので、こだわりの詰まった作品を多くの人に見てもらえます。
Hack Uに参加してくれた学生からは
- 最初は不安だったが、作品が完成したときにはとても達成感があった
- 初めてのチーム開発だったが、楽しんで参加できた
- LINEヤフー社員のサポートが手厚かった
- 他の学生の作品に触れ、刺激を受けた
- もう一度参加したい!
というような感想を頂いています。
このように、Hack Uはものづくりの楽しさを共有し、新たな学びやつながりを得られるイベントとなっています。
Open Hack U 2024 TOKYO
2/9(金)〜2/24(土)の東京開催、全国から30チームの学生が集まりました。キックオフイベントから始まり、各チーム2週間でこだわりの作品を作り上げます!
当日の180秒の発表時間では、どのチームからも作品に込めた熱い思いが伝わってきました! 発表会全体のYouTube配信の様子はこちらから御覧ください。
開催の様子
どのチームも解決したい課題が明確になっており、最新技術をふんだんに活用しながら課題へのアプローチをしていました。実体験に基づく課題を、AIやVRなどの比較的新しい技術も積極的に活用しながら解決しており、2週間という短い期間で制作されたとは思えないクオリティの作品ばかりでした!
作品紹介
見事最優秀賞に輝いたのはチームmyjの「かぐぞう」です。かぐぞうは手元にあるものと似た香りの商品をしらべることができる作品です。シャンプーや柔軟剤を選ぶときにも、とても便利に活用できそうですね! 展示会では私も実際に手元で使わせていただきましたが、類似度の高い香料同士は体感的にも「似ている!」と感じることができるものでした。嗅覚を使った、今までにない新しい手段での検索ということで、非常に新規性・クオリティの高い作品だったと思います! myjのみなさん、受賞おめでとうございます!
Open Hack U 2024 OSAKA
東京開催の後、3/4(月)〜3/16(土)の大阪開催では、25チームがエントリーしました。発表会はLINEヤフー大阪オフィスでの開催です。発表会全体のYouTube配信の様子はこちらから御覧ください。
開催の様子
東京開催に比べて、ハードウェアの作品が多い印象でした! 大型のもの、センサをふんだんに使用したもの、3Dプリンタを使ったもの、手軽さを求めて あえてスマホのスピーカーやマイクを使うものなどなど……ハードウェア作品は展示会で実際に体験できるものが多く、中にはブースに順番待ちができているところもありました!
作品紹介
見事最優秀賞に輝いたのはECCIoT部の「READY BAG」。READY BAGはついついやってしまう忘れ物をなくすための作品です。バッグに取り付けるだけで登録しているものがバッグに入っていなかったら、さまざまな通知方法で教えてくれます! ハッカソンの作品としての完成度が高いことに加えて、
- バッテリーが必要なのはバッグ側だけ
- 忘れたくないものにはシールを1枚貼るだけ
- インターネット上に作品を公開済みで、誰でも作成できる
など、実際に使われてることを想定しているような細かな配慮がなされている、素晴らしい作品でした! ECCIoT部の皆さんは、1年前のHack Uで賞を受賞できず、その悔しさをバネに今回のHack Uに参加していただいたようです。ECCIoT部の皆さん、受賞おめでとうございます!
作品や使用技術の傾向
2023年度は先ほど紹介した「Open Hack U 2024 TOKYO / OSAKA」 を含め、4度のOpen Hack Uを開催することができました。ここで、2023年度の作品について、形態や技術トレンドを追ってみましょう。なお、集計対象のイベントは以下の4開催となります。
- Open Hack U 2023 NAGOYA (2023/08/07 ~ 2023/08/26)
- Open Hack U 2023 ONLINE (2023/09/04 ~ 2023/09/16)
- Open Hack U 2024 TOKYO (2024/02/09 ~ 2024/02/24)
- Open Hack U 2024 OSAKA (2024/03/4 ~ 2024/03/16)
作品形態
まずは作品の形態についてです。2022年度はオンラインでのアピールのしやすさを意識してか、Webアプリが50%以上を占めていました。2023年度はWebアプリが47%と若干減り、その分ハードウェアが増えています。発表会はもちろん、開発期間中でも対面で作業できる機会が増えたのかもしれませんね。
使用言語と使用技術
続いて、使用されていた言語や技術です。フロントエンド領域では昨年同様JavaScriptとTypeScriptが人気です。使用技術としても、ReactやNext.jsの利用数が非常に多いですね。2021年度にはReactと同程度使われていたVue.jsは、2022年度に大きく数を減らしていましたが、今年度はついに0になってしまいました。私は学生時代(3年前)にVue.jsを利用してWebアプリを作った経験があるので、トレンドの移り変わりを感じます。
バックエンド領域ではPython の人気が圧倒的です。FlaskやDjango、FastAPIなど、Webアプリの作成で利用されるフレームワークだけでなく、TensorFlowやPyTorch、YOLOなど、機械学習分野で多く利用されるライブラリの採用が目立ちます。機械学習を絡めた作品では、相性の良い言語として採用しやすいのでしょうか。
アプリ領域では、ネイティブ言語のSwiftやKotlinを抑えてDart言語が多く採用されていました。身の回りのアプリでも、Flutter製のアプリをよく見かけるようになったように感じます。Flutterでのクロスプラットフォーム開発が今後も盛り上がりを見せるのでしょうか。
おわりに
いかがだったでしょうか! 学生たちの熱量やイベントの盛り上がりが少しでも伝わっていれば嬉しいです! 2024年度もOpen Hack Uの開催を予定しています。イベント情報はX等のSNSでも告知していますので、ぜひフォローをよろしくお願いします! 皆様のエントリーを心よりお待ちしています!