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try! Swift Tokyo 参加レポート

こんにちは。iOSアプリエンジニアの近藤です。2024年3月22日(金)〜24日(日)にわたり、try! Swift Tokyoイベントが開催され、LINEヤフー株式会社はGOLDスポンサーを務めました。期間中は多くの方にブースにお越しいただき、ありがとうございました。本記事では、ブースで出展していたコンテンツの内容や、当日のイベントの様子などについてご紹介します。

try! Swift Tokyo

try! Swift Tokyoは、Swift言語に関する国際的なコミュニティであるtry! Swiftが開催するカンファレンスです。

try! Swift Conference(外部サイト)
try! Swift Tokyo(外部サイト)

このカンファレンスは毎年恒例のイベントでしたが、感染症の影響で2020年から2022年にかけては中断され、2023年は規模を縮小しての実施となりました。その結果、今年は5年ぶりに大規模な形での開催を迎えることになりました。発表されるセッションテーマも幅広く、モバイルアプリ開発にとどまらず、Swift言語に関するさまざまなテーマについて扱われているカンファレンスです。

会場の様子

try! Swift Tokyo 看板

オープニングセレモニーの様子

5年ぶりの開催ということで、世界各国からの参加者も多数見受けられ、以前にもまして盛り上がっていました。

1日目、2日目のトークセッションには、LINEヤフー株式会社からも3名が登壇しました。今年のセッションでも、Swiftの言語機能からアプリケーション開発に至るまで、さまざまなトピックについてのセッションが行われました。アプリケーション開発に関するセッションでは、iOSやApple Vision Proに組み込まれているvisionOSなどのAppleが開発したプラットフォームに加えて、ウェブやWindowsなど、多様なプラットフォームに関する幅広いテーマが取り上げられていました。普段の開発に活かせるトピックもあれば、いままでまったく触れることのなかったトピックもあり、学びの多い2日間となりました。各トークの後には、「Ask the Speaker」のコーナーが設けられ、参加者は登壇者に直接質問をする機会もありました。

2日目のセッション終了後には参加者が交流できるパーティーが催され、多くの参加者と食事を楽しみながら、さらに交流を深められました。

3日目のワークショップは、午前の部と午後の部に分かれて開催されました。午前の部では、参加者が5つの提供されたテーマセッションの中から興味に合った1つを選択し、参加する形式です。セッションでは、Apple Vision Proでのアプリケーション開発や、SwiftをBluetooth技術と組み合わせた利用など、幅広いテーマのワークショップが提供されました。午後の部は、Swiftライブラリへのコントリビューションを目指す、try! Swift Tokyoならではのワークショップでした。いずれのワークショップでも、講師のサポートが手厚く、参加者同士でコミュニケーションをとりながら一体感を持って課題に取り組めました。

LINEヤフーのブース

LINEヤフー スポンサーブース

try! Swift Tokyoでは、トークセッションだけでなく、各スポンサー企業がブースを展開するスペースもありました。私たちの展示スペースでは、開発中のアプリケーションの紹介や、LINEフレンズグッズなどのノベルティの配布とともに、後ほど詳述する「Code Review Challenge」も実施しました。

複数のエンジニアがブースに常駐し、参加者のエンジニアと「Code Review Challenge」を通じて技術的な交流を行いました。

Code Review Challenge

今回の展示ブースでとくに力を入れたのが「Code Review Challenge」です。「Code Review Challenge」とは、Bad CodeをGood Codeにするための公開コードレビューです。「Code Review Challenge」は過去に開催したiOSDC Japan 2023にて旧LINEのブースでも実施し、好評だったため今回も同じ企画を準備しました。

https://engineering.linecorp.com/ja/blog/report-iosdc-japan-2023

try! Swift TokyoではLINEヤフー株式会社となり体制が新しくなったため、以前よりもコードレビューの問題数を増やしています。6名のエンジニアが合計7問のコードレビューを準備し、作問者以外のエンジニアも関わりながら、各問題の難易度や背景が参加者にとってわかりやすいように調整しながら準備を進めました。

イベント当日は、2時間おきに新たな問題を掲示し、予想を超える多くの参加者に挑戦していただきました。問題が更新される度に、多くの来場者がブースに足を運び、各問題にはコードが隠れる程の付箋が貼り付けられるほどでした。

また、参加者からは出題者の想定を超える貴重なフィードバックが寄せられ、出題側にとっても学びのある企画になりました。

Code Review Challenge実施の様子

たくさんの付箋が貼られたレビュー対象コード

おわりに

ブース出展者として、また参加者としても、充実した3日間になりました。

「Code Review Challenge」の問題作成では、「あえて問題のあるコードを書く」「エンジニア同士で問題のレビューをし合う」など、通常の開発プロセスでは経験しないようなこともあり、貴重な機会をいただきました。イベント期間中には、多数の来場者に私たちのブースを訪れていただきました。この場を借りてあらためて感謝いたします。

参加者としては、技術的知識を得られたことに加え、エンジニア同士の交流はそれ以上に貴重な経験となりました。あらゆる世代、国籍のエンジニアと気軽に話ができ、このようなオフラインでの交流の場の大切さをあらためて実感しました。来年の開催も今からとても楽しみです。

最後に、「Code Review Challenge」の各問題の詳細については、今後このブログにてそれぞれの作問者が解説記事を公開する予定です。そちらも楽しみにお待ちください。