こんにちは。LINEヤフー ネットワークエンジニアの中川 稜です。
2024年1月17日(水) ~ 19日(金)の3日間にわたって開催された、JANOG53 Meetingにてホストを務めました。過去最高の現地人数3028人に来ていただき誠にありがとうございました。本記事はJANOG53 Meeting IN HAKATAの開催報告書となります。
JANOG53開催概要
日時 2024年1月17日(水)~1月19日(金)
会場 本会議:博多国際展示場&カンファレンスセンター
懇親会:ホテルニューオータニ博多
参加費 本会議:無料
懇親会: 有料(※ 学生限定 懇親会無料 先着20名)
主催 日本ネットワーク・オペレーターズ・グループ
ホスト LINEヤフー株式会社
今回のテーマは “The Internet“です。
JANOG Comment 1の「JANOGとは」中に、『インターネットに於ける技術的事項、および、それにまつわるオペレーションに関する事項を議論、検討、紹介する』とあり、JANOG参加者の方々がこれまで作ってきたこの”The Internet”は、現在の社会・経済・国民生活にとって存在することが当たり前の重要インフラとなっており、年々高い安定性を期待されるものとなっています。この”The Internet”に関わる技術やその未来について、改めてJANOGミーティングという場で議論したいという思いから、テーマとして設定しました。
JANOGとは
JANOGとはJApan Network Operators’ Groupを意味し、インターネットに於ける技術的事項、および、それにまつわるオペレーションに関する事項を議論、検討、紹介することにより日本のインターネット技術者、および、利用者に貢献することを目的としたグループです。
JANOGについて より
JANOG(JApan Network Operators’ Group)は1997年に設立したグループで、インターネットの技術及び運用に関する課題や知見を議論する場として、年2回のMeeting(本会議)を開催しています。そして今では現地参加が3000名を 超える大規模なコミニュティになっています。JANOGはネットワークの技術者同士が議論をすることをメインにしているので、JANOG Meetingは一般的なカンファレンスと比べて、最後に議論の時間を設けるなどの特徴があります。
また開催に必要な企画は回ごとに編成される実行委員会で進められます。今回実行委員の方々は JANOG53 スタッフリスト に記載されています。
ホストに応募したきっかけ
私はJANOGを学生の時から参加しており、初めて参加したのが2017年1月に開催されたJANOG39 Meeting金沢でした。当時知り合いのエンジニアの方から「JANOGは地方開催だけど交通費等を支給してくれる若者支援プログラムというのがあるから興味があるなら参加してみな」と誘われたのがきっかけでした。
当時は学生なので、プログラムの内容が全然理解ができませんでしたが、理解できないなりに興味を持ってその後も若者支援プログラムを利用して継続して参加をしていました。また当時参加していたあるプロジェクトのメンバーとも一緒にメインプログラムも登壇しました。
それから2020年4月に当時のLINE株式会社に新卒で入社して社会人になってからも、何か業界の発展にお手伝い出来ることはないかと思い、エンジニアの技術を向上させるJANOGの企画(NETCON)のスタッフやチェアを務めました。社中でもJANOGが好きなエンジニアがたくさんおり、何人ものエンジニアがJANOGでプログラム登壇したり参加していました。その中で2022年7月にJANOG50 Meeting函館はオンラインのハイブリットが一部あったもの、久しぶりに大規模に 現地開催された回がありました。久しぶりに現地の熱量を見た私はこれは是非とも会社としてもコミュニティに貢献したいと思って今回応募させていただきました。
ホストをすると決まってからは技術広報のDeveloper Relationsに所属する櫛井と一緒にスピード感を出して社内調整などを進めました。
ホストがすること
ホストがすることには主に下記の内容があります。
- 会場の提供
- 懇親会開催に関わる各種手配
- 費用の管理
今回はたくさんの方に来ていただきたいと考えていたので、国内でも一番と言っていいほどアクセスのいい空港がある博多の博多国際展示場&カンファレンスセンターをという会場をご用意しました。また博多を選んだ理由は他にもいくつかありました。
- 開発拠点の子会社が博多にあり(当時LINE Fukuoka株式会社)LINEにとって縁の地だった
- 当時ヤフー株式会社が主催のJANOG47福岡がコロナで現地開催が唯一出来なかったため、再挑戦をしたい
そして今回は143スポンサー・15サポーターの協賛者様にご協力をいただきました。この度はご支援いただき誠にありがとうございました。
会期中
プログラム
今回は下記の3つの部屋でメインプログラムを発表いただきました。(部屋の名前ははかたスポンサー特典によるもの)
- MRデジタル・リアルティ room
- QTnet room
- Port53 room
プログラム数は下記の通りの非常に多くのプログラムがありました。
- 36 プログラム/BoF
- 5 ライトニングトーク
- 5 Lightning Talk-Diving!!
- 20 野良BoF
上記のプログラム数は実行委員会から発表されている JANOG53_閉会宣言 より抜粋いたしました。
プログラム一覧は JANOG53 プログラム一覧 から御覧ください。
JANOG53ということで、53といったらDNSのポート番号ということにちなんで、DNSチュートリアル というプログラムがあったりと様々な技術に関するプログラムがありました。
またプログラム終了後に登壇者へ質問や会話をすることができる替え玉スペースというのが今回始めての試みとして用意されました。
下記のプログラムではLINEヤフー社員が登壇しました。一部のプログラムについてはアーカイブがあるので、そちらもよかったらご覧ください。
LINEヤフー社員登壇プログラム
- インフラ運用ツール開発組織を1から組織した話
- データセンターネットワークでの輻輳対策どうしてる?
- OpenStack on L3 Clos-NW First-Hop Redundancy by Open vSwitch & BGP in Yahoo! JAPAN network.
- 変化するDNS運用とこれからの課題について(DNS設計/運用者の目線から)
LINEヤフー社員動画アーカイブ
- 【JANOG53】データセンターネットワークでの輻輳対策どうしてる?
- 【JANOG53】インフラ運用ツール開発組織を1から組織した話
NETCON
JANOGではメインプログラム以外にも様々が企画が平行して行われています。その企画の1つにNETCONというネットワークのトラブルシュートを競うコンテストと、ネットワーク初学者向けのハンズオンが行われました。
ネットワークエンジニアのためのコンテストです。JANOG参加者が誰でも参加できるネットワークコンテストを開催します。コンテストでは、実際にトラブルが起きているネットワーク環境を提供します。それらを実際に解いていただくことで、ネットワークエンジニアとしてトラブルシューティングの勘を高めていこうという企画です。
この企画ではオンラインでJANOG53の会期が始まる前から参加することができました。
NETCONのWrap-upは JANOG53 NETCON Wrap-up から御覧ください。
ネットワークチーム
ホストとして提供予定でしたが、諸事情によりJANOG運営委員よりご提供をいただきました。短期間での構築となってしまいましたが、構築に関わってくださったチーム「BAKUCHIKU」の皆さん、ありがとうございました。
若者支援参加者とのランチ企画
JANOGには若者支援プログラムというのがあり、若手育成を目的としJANOG本会議参加にかかる交通費、宿泊費、懇親会参加費用を支援するプログラムがあります。今回JANOG53では18名の方にご参加いただきました。
そして今回ホストの初めての試みとして、協賛企業様の方々と若者支援プログラム参加者とが交流するランチ企画を実施しました。
若者支援プログラムについては 「JANOG53若者支援プログラム」のご案内 をご覧ください。
展示会場
今回4F全体を展示会場として合計130ブースの展示がありました。
また電源コンセントが置かれている休憩スペースをご用意したり、ブレイクスポンサー提供のコーヒーの配布などを実施しました。
LINEヤフーのブースでは旧LINE・ヤフーのそれぞれのデータセンターネットワークとPrivate Cloudの紹介などをしました。
広報・PR活動
会場に一番近い東比恵駅と博多駅筑紫口に駅広告を掲載しました。
またPR TIMESに下記記事を掲載いただきました。
【LINEヤフー】LINEヤフーがホストを務める技術カンファレンス「JANOG53 Meeting」開催
懇親会
懇親会もなるべく沢山の人に来ていただけるように、ホテルニューオータニ博多さまの宴会場をご 用意しました。オープニングでは博多金獅子太鼓様による楽曲を披露していただきました。
- もつ鍋
- 鯛茶漬け
- 寿司
- ラーメン 一幸舎
最後に
3日間を無事に終えることが出来て大変うれしく思います。私達は1年半、JANOG53開催のために準備をしてきました。準備期間中はコロナなど様々な懸念があり無事に開催できるか不安でしたが、盛況の内に閉会し本当に一安心しております。今回は若者の参加者を増やそうと、会場近隣の九州の大学・専門学校の先生方々にお声がけしたりポスターを配ったり、見えないところで様々な活動をしていました。若者支援プログラムでは18名の方にご参加いただいたり、実行委員やNOCのスタッフとして沢山の学生の方にご参加いただくことができました。多くの学生や若者にJANOGやネットワーク業界へ興味をもって参加してもらう、ということにホストとして力添えできたのではと考えています。そして企業の垣根を超えたエンジニア同士が現地で熱く真剣に議論し深く交流するという光景は、他の技術コミュニティにはないJANOGならではの高い価値だなとあらためて感じました。実行委員会・運営委員会のみなさま、株式会社イーサイドのみなさま、NOCチームのみなさま、ご参加いただいたJANOGerのみなさま、ありがとうございました。最後になり恐縮ではございますが、今回ご協賛いただいた企業のみなさま、誠にありがとうございました。今後もこのJANOGがネットワーク業界に新たな価値をもたらすことを心から願っております。
左からLINEヤフー 櫛井優介
JANOG53実行委員長 伊藤 良哉さん
JANOG53実行委員長 中野 龍さん
LINEヤフー 中川 稜